アゲンストはゴルフ用語の一つで、向かい風のことです。英語では「Head Wind」といいます。国内のゴルフ場で使ってみるとちょっとかっこいいかも!でもキザっぽくなり、反感を買うことにもなりかねませんので、使う際は慎重な相手選びが必要です。
アゲンストの状況でボールを打つと、飛距離が大きく落ちます。風速10メートルのアゲンストでは10%以上とも言われています。アンダースピンの多い人はボールが吹き上がってしまい飛距離はもっと落ちます。どの程度飛距離が落ちるのかは個人差がありますので、それぞれ自身でチェックする必要があります。
そのうえで、どうすれば風の影響を最小限に抑えることができるのか。打ち方を習得しましょう。一般的には、低めのボールを打つ、アンダースピン量を減らす―の2点が有効と言われています。アゲンストでもスコアを落とさないように頑張りましょう。
スコアを落とさないために
アゲンストは飛距離が落ちるのが最大のデメリットですが、さらにスライスやフックなどの曲がりも大きくなるのも困りものです。スイングがカット気味に入ってしまうと、ボールが吹き上がり大きく右に曲がったしまうことは、残念ながら容易に想像がつきます。こうなるとOBから逃れるのは、木にでも当たって運よくボールが跳ね返ってくれるのを願うくらいしかありません。
アゲンスのメリット、デメリット
厄介なアゲンストですが、強いてメリットをあげるとするなら、球が着地してからの転がりが少ないという点です。グリーン手前にバンカーなどがある場合、グルーンを直接狙うしかありませんが、その際に転がりが少なければ、グリーンをオーバーすることを避けることができます。
でも、こうしたラッキーなケースよりも圧倒的に飛距離が落ちることの方がスコアに響いてきます。ではどのように打てばよいのでしょか。
アゲンストの影響飛距離はどれくらい落ちる
打ち方の前にどのくらい飛距離が落ちるのか知る必要があります。これを知らないとドライバーで、とにかく遠くへ飛ばせばいい場面以外は、問題が生じます。グリーンを狙う時、第2打、第3打で狙ったところに落としたい時、どのくらい飛距離が落ちるのか分からないと大きなトラブルにつながってしまう危険性があるからです。
とはいえ、打つ瞬間の風速を知ることはできませんし、アゲンストの状態を人工的に作れるような練習場もありませんので、自身の打ち方でどのくらい飛距離が落ちるのかを知ることできません。そこで、やれることと言えば、アゲンストの影響を受けにくい打ち方をすることくらいです。
では、アゲンストの影響を受けにくい打ち方の一つである低い球の打ち方にコマを進めましょう。
アゲンスト風に負けない打ち方は
アゲンストの打ち方には、いろんな情報があり、どれを試せばいいのか悩むことがあります。そこで、ここではシンプルに2つの方法に絞ってみます。
低い球を打つ
一つはボールを置く位置。もう一つはバックスピンを少なくする方法です。では、まずはボールを置く位置からです。ボールは通常よりもやや右足寄りに置きます。こうすることで、ロフトが立ち、球は低く打ち出されます。この位置にボールを置くと、意識して低い球を打とうとしなくても自然と低い球が出るようになります。
ドライバーなどの第1打の際のティーの高さについては、そのままでも良いのですが、少し低くしてみる方法もあります。ティーを高くした方が低い球がでるという見解もありますが、ここでは低くする方法をお薦めします。
ドローを打つ
さらにドロー気味に打つとより、アゲンストに強くなります。ドローの回転が加わることでボールが着地したあとによく転がります。これで短くなった飛距離を少しでもカバーすることができます。
バックスピンを減らす
次はバックスピンを少なくする方法です。実はドローがバックスピン量の少ないショットですので、ドローを打つことはアゲンストに対しては一石二鳥なのです。ではドローはどのように打てばいいのでしょうか。いろんな方法が紹介されていますが、ここでは、フェースをかぶせる打ち方を紹介します。
目標の地点より少し左側に打つ構えをし、クラブの向きをそのままにして、目標地点の少し右側を狙うように構えます。そうするとフェースはかぶってきます。この姿勢で打ちますと、目標地点とボールをラインに対し、右側に出たボールが左に曲がり、目標地点に到達します。
もう一つ。真っすぐ打つ構えをし、フェースの向きそのままにしておいて、少し右側に目標を定め、そこに打つように体を右側方向に構えます。そしてスイングは右方向を狙って打つようにします。これでもフェースがかぶった状態を作れます。
その他の方法とは
ほかにもクラブを払って打つ、軽く打つなどの方法もあります。アゲンストだからと言って、負けないように強振すると、バックスピン量が増え、かえって飛距離が落ちてしまうのです。強振はアゲンストでなくても重要なポイントとなります。
力んでしまって、ダフッたり、トップしたりという経験はよくありますが、これらは軽く打つことで解決できます。軽く打つ方法もいろいろありますが、テイクバックを8割ほどにする方法や、テイクバックはそのままで、入れる力を8割ほどにするなどが考えられます。
アゲンスト対策 やってみた
低い球
次は、これまで紹介してきた打ち方を実際に練習場で試してみた結果を紹介します。
まずは、球の位置です。左足かかとよりも少し右寄りに置きます。ドライバーで数十球打ちましたが、これまでの球の飛び方と大きな違いは感じられません。そこでティーを少し低くしました。これまでは48ミリメートルで打っていましたが、44ミリメートに下げました。
すると低い球が出てくるようになりました。再び48ミリメートルに戻してみたところ、なぜか今まで以上に高い球になりました。このため少し下げて46ミリメートルにすると今までと同じような球になりました。低い球の練習で、通常のティーの高さが下がったようです。
ドロー、バックスピン
次にドローです。これはアンダースピンの量を減らすことと、転がりをよくするためのものです。少し左側を目標としたフェースの面を維持したまま、真っすぐかやや右側を狙いました。
たまにスライスがでますが、多くはドローの球筋になります。少し気を抜くと、左側に引っかけてしまい、ミスショットとなりますが、集中して、真ん中を狙って打つと、きれいにドローがかかりました。
真っすぐに打つフェースのまま、右の目標に向かって打つ方法は試してみましたが、結果はもう一つでした。人によって合う合わないがあります。いろんな方法を試して自身に合う方法を見つけることが大切です。
まとめ
今回試した、左の目標に向いたフェースで真ん中を狙って打つ方法だと、本来は着地点が目標よりも左側になるはずです。ですが、目標地点に落下するのは、自身が持ったイメージに体が勝手に反応して、そのように打ち方をしていると思われます。
零点何秒かのタイミングのずれや、数ミリメートルの体の向きなどは意識してコントロールすることはできません。基本的な打ち方を習得した後は、強いイメージを持ち、体が自動的に微調整をしてくれるように持っていくのが、アゲンストはもちろん、すべてショットに有効です。アゲンストの練習を通じてすべてのショットをブラシュアップして下さい。
コメント